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Phantom Limb [art!ART!art!]

5月28日静岡県立美術館へ
台風は熱帯低気圧に変わっても雨は降りやまなかった。

2月に森美術館で見た『小谷元彦展 幽体の知覚』だが
あの時、SP4:The Specter-What wanders around in every mindの衝撃は
自分の中で何かがあるように感じてならなかった。
もう一度その感じが何であるか確認するためと
作家の言葉はどのようなものであるかを確かめるべく
静岡県立美術館で再び『小谷元彦展 幽体の知覚』を見ることにした。
当日は3時から作家と宗教学者との対談に間に合うように出たかったのだが
対談はすでに始まっていた。
小谷元彦氏の美意識や形態はモード系である。
どこかの服飾デザイン系の専門学生を彷彿とさせる。
だが、京都出身であるが故の関西系イントネーション
見た目から想像できるであろうか・・・いや
赤塚不二夫が浅野忠信?はっ、ぐらいの自分では違和感である。

自分の中で小谷元彦といえば
Human LessonとPhantom LimbとSP2:New Bornなイメージしか持っていなかったのだが、
2008年あたりから徐々に小谷元彦氏の作品に出合う機会が増えてきたように思う。
そこから2010年から始まった『小谷元彦展 幽体の知覚』
自分の中で小谷元彦旋風が始まるのも時間の問題だっただろうし
何しろ森美術館で見たSP:4The Specterは心揺さぶられる力があったのだから。

静岡では、ダンテの『地獄の門』に向かっていた。
それがなぜか森美の印象とは違うのだ。
展示を見る前に
対談を聞きその中で、日本人の骨格標本に西洋人の頭蓋骨が乗っかっていると言った瞬間
またSP4:The Specterに全ての人の脳内で徘徊するものが西洋コンプレックスを抱いている日本人という
小さな枠組みを自分に植え付けたのだが、
その日本人の骨格標本が小谷くん自身に近いものを選んでいるというあたりが
小谷くんそのものの表面でなくほんとの中身のような気がした。
ありとあらゆる作品をみて作家自身の中身というより
作家自身の頭の中身だったのに
小谷くんは身体の中身であるよに思うのだ。

期待度満点で見に行ったSP4が微妙に森美術館のほうがよかった。
たぶん近かったからだと思うしあの並びがよかったんだと思う。
I SEE ALLは静岡のほうがよかった。入口すぐだったのだが
ほんとに暗い中に木を這う蛭の感じが外の雨と館内の暗さ
2階から降りてくるときに彼女の頭部も見えるのだ。
森美術館では荷物になるので買わなかった図録を買ってかえったのだが
その中で表紙はインフェルノ、裏がNo.44になっているのだが
No.44は小谷くんの血が入ってる。
この作品すべては小谷くんなのだが、すべてが小谷くんなのである。
いや~ほんとはそのNo.44も映像でなく素手でそれを触りたい。
触覚を感じたい作品、すなわち小谷くんに触れたくなる作品なのだ。
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